細川ガラシャ夫人 上 (新潮文庫 みー8-14 新潮文庫) [ 三浦 綾子 ]
●本を読んで学びたいこと
・以前観光で、細川ガラシャの存在を知り、その後、テレビでも取り上げられるようになり、どんな人なのか知りたいと思っていた。
●気付いたこと
・真理を知ること
・外見や貧しさなどで人を判断してはいけない。心の内ほど大切
・名誉や地位などより、信仰が大切
・神を信じる以外に生きる道がなかった
●感想 Todo
初期に語られる両親の結婚までの流れでは、
同じ女性として、思わず涙が出た。
美しいと評判の女性が、病でその美しい容姿を失ってしまう。
それにより、待ちに待った結婚直前に替え玉として
容姿の良く似た妹を送ることに…。
酷く悲しむ中、
数年会っていなかったにも関わらず、
明智光秀は、送られてきた女性が本人でないことを気付き、
替え玉を送り返し、病で美しい容姿を失った照子を迎え入れる。
その時代では、側室を置くことも珍しくない中、
生涯、正室の照子だけを愛する愛妻家。
というお話は、すごく泣けた。
細川ガラシャに関する本だったが、
この父明智光秀の外側ではなく、内側を重視する
考え方から大きく影響を受けているように感じた。
また、ガラシャ自身が母照子に似て
すごく美しい容姿であり、
聡明であり、美しい内面より、
その外見にばかり注目をされていたという面も
あるのかもしれない。
自分では変えることのできない、
抗うことも出来ない、
どうすることも出来ない時代の強い流れの渦中にいたガラシャにとって、
幸せになっても、戦乱の中であればすぐに不幸になる。
そんな不安定な世界に、心が憔悴しきっていた。
戦乱の世の中、多くが、地位やお家、領土などに
囚われていた。
そうした中、名誉や地位を捨てても信仰を貫いた
高山右近の生きざまを見て、
自らも信仰することを決め、命懸けで信仰する。
不安定な動乱の中だからこそ、
一筋の自分が信じられる信仰が、
ガラシャの不安定な心を救ったのかもしれない。
私は現在、同世代には一番多い
無宗教に近い存在だと思う。
強い信仰心は、強い心の支えになるのだろう。
自分の中で芯がある。
その芯の支えがあれば、さらに人は強くなれるのかな?
信仰について関心を抱いた。